避妊手術の方法と時期

避妊手術は「卵巣・子宮摘出術」です。以前は卵巣だけ、子宮だけの摘出手術も行われましたが、現在行われている手術のほとんどは卵巣と子宮の摘出となります。(念のため手術前に確認したほうが良いでしょう。)手術は開腹手術となるため、オスよりも長く時間がかかります。術後10日から14日で抜糸が必要となります。

手術はオスと同様に性成熟前8週齢から可能です。発情を迎える前に避妊手術を行うと乳癌になる確率が減ります。発情は卵巣からエストロジェンという性ホルモンが分泌されることよって起こります。発情することによって乳癌にかかる確率も上がりますが、発情後も避妊手術は乳癌治療には有効です。エストロジェンは乳腺腫瘍も刺激するため、それを分泌する卵巣を摘出することによって乳癌の広がりを抑えることができるからです。

避妊手術のメリット

その1病気予防
オスと同じように女性ホルモンの影響を受ける病気にかかりにくくなります。ホルモンの影響を受ける「子宮蓄膿症」という病気は発情を繰り返すことにより発症する可能性があがります。卵巣がなければかかることはありません。また上で述べた乳腺腫瘍も予防できます。
(子宮蓄膿症についてはあとで詳しく述べます。)

その2発情期のストレスがなくなる
発情期にはうるさく鳴いたり、落ち着かずいらいらしたり攻撃的になることがありますが、それがなくなります。

その3望まない妊娠の予防
メス犬を求めてオス犬がさまよってくることがなくなります。オス犬が寄ってくるのを気にかける必要がなくなります。その為望まない妊娠を回避できます。

避妊手術のデメリット

その1手術の危険性
オスと同じで手術は全身麻酔で行われます。麻酔による事故は減ってきていますが、100%安全とは言い切れません。

その2術後の交配が望めない
卵巣と子宮を摘出しますので、子供を生ませることはできなくなります。

その3肥満
去勢手術を受けると体の消費カロリーが低下します。その為今までどおりの食事をしていると摂取カロリーが変わらないのに消費カロリーが減っていることで太りやすくなります。術後きちんと運動をさせ、食事の量にも気をつけてあげることで問題は解決できます。