去勢手術


皆さんのペットに去勢・避妊手術はされていますか?

空は我が家の4代目わんこで、現在2歳を過ぎたオスなのですが、最近去勢について考えています。

それまで飼っていた3頭ともすべてオスでしたが去勢はしていませんでした。先の2頭は私が保育園時代に来たので私が去勢について考えることがなかったからです。その2頭は早死にしてしまい、小学校4年のときに3頭目のわんこが来ました。父が亡くなっていた我が家で唯一の男です。母は病気でもないのに体にメスを入れるなんて!という考えだったので去勢はしていませんでした。

当時は今ほど去勢・避妊手術をしていたペットは多くなかったように思えます。そのためか捨て犬・捨て猫が多くいました。私が住んでいるところは海が近く防砂用に松林があるのですが、うちの姉はその松林から何度も捨てられている猫を拾って来ていました。特に猫が捨てられていることが多かったように思えます。猫のさかりの時期は年に4回。犬は年に1回なので猫の繁殖数が多いせいなのでしょう。

今は友人達の飼っているペットの多くが手術済みなのですが、私は「自然なままの状態が一番だし、人間の勝手な都合で生殖能力を奪ってしまうのも・・」と思い去勢することを考えてはいませんでした。

ですが2年を過ぎ成犬となった今、縄張り意識も強くなりました。マーキングも頻繁になり、自分がお気に入りのメス犬にほかのオス犬が挨拶しただけでも怒るときがあるのです。とはいえこれが普通の自然の状態なのは間違いありません。

加えてお気に入りの子にはマウント行為もしようとします。ひとつ不思議なことがあるのですが、うちのわんこはフリスビーが大好きでフリスビーを取りに行ったりして遊びます。遊び終わってフリスビーをしまおうとするとなぜか私の腕にマウントしようとするのです。これは一体どういうことなのかいまだ不明です。

こういうことがあったので子供を作る必要がないのならやはり去勢をするべきなのだろうかと考えました。

飼い主の貴方がペットの繁殖能力の管理ができなければ、さかりの時期に脱走するかもしれません。知らないうちに脱走先で子供を作ってしまうかもしれません。
子供が生まれたときに育てられないのなら、貴方はどうしますか?生まれたばかりの子犬や子猫をどうしますか?

動物収容所に持ち込まれる犬猫の内、約半分近くが生まれて間もない3ヶ月未満の子達です。私が知っている中ではダンボールに入れられ生きたまま海に流された子もいます。この子達は幸いにして動物保護センターの方に見つけられ、今は新しい飼い主さんの元で幸せに暮らしています。

もしきちんと去勢・避妊手術が行われていれば、この世に生を受けることはなかったのです。せっかく生を受けながらもたったの数ヶ月で苦しみながら死ぬことなどなかった子達なのです。こういった小さな尊い命を救うためにも手術は間違いなくしてあげる必要があると思います。



去勢手術の方法と時期

去勢手術は陰嚢の前を切開し、そこから両方の睾丸を取り出します。睾丸を取り出した後は切開した皮膚を縫合します。時間にして10分ほどです。精子が出ないようにするわけではなく、精巣をまるまるとってしまうのでホルモンの影響を受けることはなくなります。(こう書くと難しそうですが簡単にいうとタマタマの袋をちょっと切って、タマタマを取り出すんですね)

避妊手術に比べると傷口が小さいので日帰りや1泊入院での手術が一般的です。

以前は去勢手術を受けるのは思春期後の生後6ヶ月前後が良いといわれていました。ところがアメリカでは性成熟前の6週から14週目でも手術ができるという提案が受け入れられ、実際多くのペットがその時期に手術を受けています。性成熟前に手術を受けても副作用等の問題は発生していません。その結果を受け日本でも生後8週齢を過ぎてからの手術が普及してきています。

生後6ヶ月(思春期)以前に去勢された場合は、その後に去勢された子よりも少し大きく成長する傾向があるようです。それは男性ホルモンに含まれるテストステロンに骨の成長を止める働きがあるからです。思春期前に去勢された場合はテストステロンの影響を受けないため、骨の成長が止まるのが遅くなります。

去勢手術のメリット

その1病気予防
男性ホルモンの影響を受ける病気にかからなくなります。上記のテストステロンは前立腺に影響をもたらします。前立腺肥大や睾丸、肛門の病気や生殖器にかかわる病気にかかりにくくなります。

その2縄張り意識の低下
男性ホルモンがなくなることで、縄張り意識が低下します。それによりマーキングが減ります。

その3性格緩和
性格が温和になり攻撃性が減るので、オス同士のケンカが減ります。今私が悩んでいるのはこれが一番の原因です。ほかのオスをライバルとみなすことが多くなりました。

その4徘徊・放浪の回避
オスには発情期はありません。発情するのはメス犬だけです。発情中のメス犬から出されるニオイに誘われてオスも発情し交尾可能となるのです。発情したメス犬のニオイは2km四方に渡って広がり、発情しているメスを求めてオス犬は脱走をはかったり放浪したりします。去勢をすることでこれが回避できます。通常メス犬からオスを求めてやってくることはないのですが、我が家で飼っていた先代のわんこはかなりの色男でした。なのでメス犬の方からやってきていました。びっくりしました。

去勢手術のデメリット

その1手術の危険性
手術は全身麻酔で行われます。麻酔による事故は減ってきていますが、100%安全とは言い切れません。

その2術後の交配が望めない
手術は精巣を全部取ってしまうわけですから、2度と交配は望めません。あとでやっぱり子供がほしくなった・・と思っても手遅れです。

その3肥満
去勢手術を受けると体の消費カロリーが低下します。その為今までどおりの食事をしていると摂取カロリーが変わらないのに消費カロリーが減っていることで太りやすくなります。術後きちんと運動をさせ、食事の量にも気をつけてあげることで問題は解決できます。