疥癬(かいせん)症

疥癬症とは

疥癬症は疥癬虫=ヒゼンダニ(大きさは0.3mmくらい)による皮膚疾患です。
卵を産み付けるのが目的なので、皮膚の柔らかい耳の先端や、肘やかかと部分を狙って皮膚に入っていきます。
その後皮膚にトンネルを作って潜って行き(疥癬トンネル)そのトンネル内で卵を産み落とします。

卵から孵った幼虫は外に出て血を吸って成長。雌はまたトンネルを掘って・・と繰り返します。
雄は交尾後すぐ死んでしまうので、トンネル内にいるヒゼンダニは雌だけということになります。

疥癬症の症状

疥癬の症状はとにかく激しい痒みです。柔らかい皮膚上に赤いブツブツができ、
痒くて皮膚をかきむしるため脱毛したり、ひどい時には皮がむけてしまう場合もあります。
放置しておけばその症状は全身に広がり、毛が全部抜け落ちる場合もあります。

疥癬症の診断

疥癬と診断するにはヒゼンダニを見つけなければなりません。
ところがヒゼンダニは皮膚の角質層に入り込んで隠れているので、皮膚の表面を見ただけでは分かりません。
その為皮膚を削って検査をする必要があるのです。

採取した皮膚の中にたまたまヒゼンダニがいないこともあるので、一度の診断で疥癬症と判断されないこともあるのです。
その為皮膚の採取は数箇所で行われます。

疥癬症の予防

感染したわんを隔離し、直接接触を避けるようにします。
動物だけではなく人間にも感染するので注意が必要です。
ヒゼンダニを駆除するための薬浴や薬の投与によって治療します。
また飼育環境からヒゼンダニを駆虫することが最優先です。

ヒゼンダニは春から夏にかけて活発に活動します。
以前ノミとダニについて述べましたが、活動時期にきちんと駆除する事が一番の予防法です。